【【神様】からの解説】

 ◎「良賈(りょうこ)は深く蔵して、虚しきが如し」
  「君子は盛徳ありて、容貌、愚かなるが如し」
  (※『史記・老子伝』・孔子老子会見の場面)

 若い孔子は、老子に、
 「礼」について、教えをこうた。

 しかし、老子は、それには、答えず、
 こう、
 若い孔子に、警告した。

 優秀な商人は、
 たとえ、良い品を、仕入れていようと、
 常には、蔵の奥深く、隠して、
 店頭には、並べたりは、しない。
 常には、店頭は、
 ガランとさせて、いるものだ。
 そして、その品に相応しい、客が、来たとき、
 はじめて、その品を、
 紹介し、勧めるものだ。

 君子と、言われる者は、
 たとえ、やれることが、あろうと、
 敢えて、やらない。
 自らの、力を、誇ったり、
 偉そうには、しない、ものだ。
 だから、顔つきは、
 賢そう、には見えず、
 わざと、愚かな、顔つきで、いるものだ。

 しかるに、お前(※孔子のこと)は、なんだ。
 知っていることを、ひけらかし、
 得意気に、自分の考えを、
 誰彼なしに、吹聴しようと、している。
 肩に力が入りすぎ、
 無理が、感じられる。

 善意の押し付けは、
 もはや、善意では、なくなる。
 早く、それに、気づき、
 おとなしく、していることだ。

 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 これを、どう、お前たちは、受け取るであろあか?

 老子は、

 ・傲慢
 ・独りよがり
 ・ごり押し

 を、強く、戒めているのだ。

 まことに、【真理】に、叶ったことである。

 いかに、【真理】が、あろうと、
 それは、容易には、伝わらない。

 それは、受け手の、器、次第だからだ。

 ・受け手、決定
 
 届け手が、いかに、優秀であろうと、
 受け手に、受け取るだけの、器が、なければ、
 【真理】は、伝えられない。

 受け手の、器、だけしか、
 届け手は、注ぐことは、できないのだ。

 これを、

 ・対機説法
 (※人を見て、法を説け)

 と、言う。

 相手の、器に、合わせて、
 話は、せよ。

 相手、かまわず、
 【真理】を、浴びせる、愚行を、
 戒めて、いるのである。

 受け手に、その気が、生まれ、
 聴こう、と、自らし、
 そして、器、の分だけ、
 蔵の奥から、出してくる。

 まことに、それこそ、良賈、では、ないか。
 お前も、その、良賈と、なれ。

 と、言いたいのである。

 今回、は、ここまで、とする。