※ 前号 386 話より、続いて

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【一風】 「お金」は、使うために、あるのですか?
 それとも、「お金」は、貯めるために、あるのですか?

【住民D】 それゃ、決まってます。
 「お金」は、貯めるために、あるんです。
 
 使ってたら、「お金」は、貯まりません。
 減るじゃ、ないですか?

 貯まった「お金」を、見て、
 私たちは、【幸せ】に、なるのですよ。

【一風】 えっ? そうなんですか?
 私(※一風)は、「お金」とは、
 どう、有効に使うかで、その価値が、
 出てくるものと、思ってましたが。

 ただただ、貯めて、おくだけでは、
 それは、死に「金」に、なるのでは、
 ありませんか?

【住民D】 「お金」を、使ったら、
 損するじゃ、ないか。
 
 使わずに、ガマンするから、
 「お金」は、貯まる。
 「お金」が、貯まれば、
 【幸せ】に、なれるんだよ。

【一風】 「お金」で、【幸せ】は、
 買えますか?
 【幸せ】は、どこで、売ってますか?

 「お金」で、何か、人を、喜ばせる、
 事業を、始めるとか、

 「お金」で、いい、品物を、買って、
 その生産者を、喜ばせる、

 これが、【幸せ】じゃ、ないのですか?

【住民D】 違うね!
 あんたは、「お金」がない、貧乏の、
 悲惨さを、知らんから、
 そんなこと、言うのだ!

 この町から、出て行きなさい!
 あんた、みたいな、旅行して、
 遊んでるような、不謹慎な人間の、
 来る、町、じゃ、ないんだよ!

 ここは、【幸せ】に、なるために、
 コツコツ、せっせと、
 「お金」を、使わずに、貯めてる、町、なんだ!

 出て行け! この、唐変木!

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【一風】 【幸せ】とは、なんですか?

【住民E】 美味しいものを、食べて、
 いい、家に、住んで、
 長生き、すること、ですよ!

【一風】 あなたは、何のために、生まれてきたのですか?

【住民E】 そんなこと、知りませんよ!
 親が、勝手に、頼みもしないのに、
 私を、産んだんです。ホホホ。

 こんな、町、に、生まれたく、なかった、です。
 親を、恨みますよ! 全く!

【一風】 あなたは、自分が、何者が、
 知らないのですか?

【住民E】 私は、人間ですよ。
 生まれた以上、できるだけ、長く生きないと、
 損だと、思いますね。

 死んだら、「無」になり、
 土に、なるんですから!

 あーあ! 人間になんか、生まれたく、
 なかったですよ!

【一風】 あなたは、ここが、どこか、おわかりですか?

【住民E】 ここは、ただただ、
 「真面目」一点張りの、
 コツコツ「お金」を、貯めることが、美徳の、
 美しい、(※本当は、薄汚れている)
 町、ですよ。

【一風】 ここは、実は、【地獄】ですよ!
 あなたは、死んでいる、のですよ!

 ここで、物質的生活を、し過ぎて、
 【神様】を、信じなかったことへの、
 「垢」落とし、を、するため、
 ここに、居るのですよ!

 わかりませんか?

【住民E】 何! 何だって!
 私が、死んでいて、ここが、【地獄】だと?

 この、大うそつきめ!

 この野郎! 捕まえて、豚箱に、
 放り込んでやる!

 オーイ! オーイ!
 ここに、大うそつきで、大泥棒が、いるぞ!
 この町の、敵だ!

 みんな、来てくれー!

【一風】 あなたは、何にも、わかっては、
 いない!
 親切で、真実を、教えてやったのに!

 こんなことで、絶対、【幸せ】なんか、
 なれませんよ!

 (※と言って、急いで、避難し、隠れる)

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【一風】 あなたは、死ねば、どうなると、
 お思いですか?

【住民F】 それゃ、決まってるよ。
 焼かれて、骨になるのさ。
 そうなったら、人間も、
 一巻の終わり、だね。

【一風】 人間とは、物質なのですか?

【住民F】 そうだよ!
 何十年か、生きて、それで、死ぬ。
 死ねば、「無」だよ!
 だから、長生き、したいんじゃないか。

【一風】 【神様】に、祈らないの、ですか?

【住民F】 そんなこと、しないよ。
 「形」だけ、祈る真似事は、するけどね。

 【神様】なんて、いないんだよ。
 
 【神様】が、いるって、証明した人が、いるのかい?

 私は、無神論者だ。
 私こそ、理知的で、冷静で、科学的な、人間だ!

 この町で、いちばん、ものが、わかっている。

【一風】 そうですか。
 【神様】は、いないと、お思い、なのですね?

【住民F】 そうだよ。 
 もし、いたら、姿を、見せてほしい、ものだね!
 その時は、信じて、や・る・よ!
 ハハハハ‥‥。

【一風】 ここが、どんな、場所か、
 ご存知、ですか?

【住民F】 ここは、冷静で科学的な、人間が、
 住む、「真面目」な、町だ!

 そして、【幸せ】に、なろうと、
 努力している、町だ!

【一風】 【幸せ】とは、なるもの、ですか?

【住民F】 妙なことを、さっきから、言うなあ。
 【幸せ】とは、なるものだよ。
 だから、努力している、んじゃ、ないか。
 「お金」を、せっせと、貯めてさ。

【一風】 あなたは、ご自分が、どういう、存在か、
 ご存知ですか?
 【魂】のことを、知ってますか?

【住民F】 あっ! お前は、教会の、回し者だな。
 妙な、説法をして、「お金」だけ、
 ふんだくっていく。
 オレたちは、どんなに、苦労して、稼いだ、
 「金」だと、思ってるんだ!

【一風】 私は、教会の回し者では、ありません。
 ただの、旅人です。

 ただ、あなた方に、【魂】のこと、だけでも、
 知っていただこうと、した、だけです。

【住民F】 【魂】だと?
 そんなもの、あってたまるかい!

 人間は、「身体」で、できてるんだ。
 その中でも、脳がいちばん大事で、
 ここに、「心」も、あるんだ。
 脳波を調べたら、人間の全てが、わかるんだ!

 脳科学が、学問上、いちばん、重要な、ものだ!

 しかるに、なんだ!
 【魂】って!

 【魂】が、科学できるのかね?

 脳が、死ねば、人間も、しぬんだ!
 だから、脳が、人間なんだ!
 
 だから、脳が、喜ぶことが、
 【幸せ】なんだよ!
 
 どうだい! わかったか!
 この、教会の回し者!

【一風】 死んでも、意識がありますよ。
 それが、【魂】なんです。

 今、あなた方に、意識があるでしょう?

 あなた方は、死んでるのに、
 なぜ、意識が、あるんでしょう?

 それは、あなた方が、【魂】だからですよ!

【住民F】 何? オレたちが、死んでるって?

 お前は、頭、が、どうかしてる。

 ちゃんと、こうして、ピンピンしてるじゃないか。
 オレは、死んでなんか、いない。
 生きてるんだよ!

【一風】 ここが、【地獄】であること、
 ご存知、ないようですね。
 お気の毒、です。

【住民F】 これ以上、世迷い言を、言うと、
 町の、外の、崖下に、突き落とすぞ!!

 オーイ! みんな、来てくれー!

 この、教会の回し者を、この町から、
 追い出そう!!

【一風】 (※仕方なく、その場から、走って逃げる)

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※ ああ、この【地獄】の町も、
 人々は、かたくなで、見えるものしか、信じず、
 聴く耳は、ありません。

 だからこそ、このような、【地獄】の町が、
 出現しているの、でしょう。

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※ この、探訪での、得られた教訓を、申しあげます。

 ◎ 物質中心主義、です。

 ◎ 無神論者ばかり、です。
  そして、それが、冷静である証と、
  むしろ、誇らしげ、でも、あります。

 ◎ 【魂】のことに、思いは、至りません。

 ◎ 「お金」や、物質を、多く持つことが、
  【幸せ】に、つながると、信じています。

 ◎ 自説に、非常に、頑固で、
  それ以外の考えは、排斥しようと、します。

 ◎ 温かい人情としての、【愛】が、
  決定的に、不足しています。

 以上、で、あります。

 【地獄】界探訪で、ありましたが、
 多分に、【地上界】に、近い雰囲気で、
 【地獄】界と、【地上界】とが、相応している、
 ことが、この探訪からも、うかがえました。

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※ 【神様】に、【意念】を、集中させます。
 この、【地獄】界から、【地上界】に、戻していただきます。

 【神様】、今回も、探訪させていただき、
 ありがとうございました。