【『小桜姫物語』から学ぶ真理「15」】

◎ 霊界での、夫の述懐

※ 自刃(※切腹)後の、霊界での、こと

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【引用文】

小桜姫:

 私が、真っ先に、訊いたのは、
 夫の、死後の、自覚の模様、でした。

 あなた(※小桜姫の夫のこと)が、
 こちら(※霊界)で、お気がつかれた時は、
 どんな、塩梅でございましたか?

夫(※三浦荒次郎のこと)

 ワシは、実は、そなたの声で、
 眼を覚ました、のじゃ。

 そなたも、知るとおり、
 ワシは、自刃(※切腹)して、果てた、
 のじゃが、
 この、

 ◎ 自殺ということは、
  神界の、掟としては、
  あまり、誉められたことでは、ない

 らしく、
 
 ◎ 自殺者は、たいてい、いったんは、
  暗い所へ、置かれる、

 ものらしい。

 ワシも、やはり、その仲間で、
 死んでから、何事も、知らずに、
 無我夢中で、日を過ごした。

 もっとも、ワシのは、
 敵の手にかからない、ための、
 言わば、武士の作法に、則った、自殺、
 であるから、
 罪は、いたって、軽かった、ようで、
 したがって、無自覚の期間も、
 そう、長くはなかった、らしい。

 そうする中に、ある日、ふと、
 そなた(※小桜姫のこと)の声で、
 名を呼ばれる、ように、感じて、
 眼を覚ました、のじゃ。

 後で、神様から、伺えば、
 これは、

 ◎ 一心不乱の祈願、

 が、首尾良く、ワシの胸に、通じたもの、
 じや、そうで、
 それと、知った時の、ワシの嬉しさは、
 どんなで、あったか。

 が、それは、別の話。
 あの時は、何を言うにも、

 ◎ 四辺が真っ暗

 で、どうすることも、できず、
 しばらく、腕をこまねいて、
 ぼんやり、考え込むより、ほかに、
 道はなかった。

 が、そのうち、
 うっすらと、光明が、差してきて、
 今日、ここへ、送って来てくだされた、
 あの、お爺さん(※夫の指導霊のこと)の姿が、
 眼に、映った。

 どうじゃ。
 眼が覚めたか?

 そう、言葉をかけられた時の、嬉しさ!
 ワシは、てっきり、
 自分を、救ってくれた、恩人であろうと思って、
 
 お名前は?

 と、訊ねると、
 お爺さんは、ニッコリして、

お爺さん(※夫の指導霊のこと):

 汝は、もはや、現世の人間では、ない。
 これから、ワシ(※夫の指導霊のこと)の、
 申すことを、聴いて、
 十分に、修行を積まねば、ならぬ。

 ワシは、

 ◎ 産土の神から、遣わされた、
  汝の、指導者で、ある、

夫(※三浦荒次郎のこと):

 と、申しきかされた。
 その時の、ワシは、ハッとして、
 これは、もうグズグズしては、いられない、
 と、思った。

 それから、何年に、なるかは、知らぬが、
 今では、少し、ここ幽界での、修行も積み、
 明るい所に、一軒の家屋を構えて、
 住まわせてもらって、いる。

小桜姫:

 私は、夫(※三浦荒次郎のこと)の、
 この、素朴な、物語を、
 たいへんな、興味をもって、聴きました。

 ことに、
 私の生存中の、心ばかりの、祈願が、
 首尾良く、幽明の境を超えて、
 夫の、自覚の、よすがと、なったというのが、
 世にも、嬉しい限りの、ことでした。

 つづく
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『小桜姫物語』より、引用抜粋

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、
ありがとうございました。