【『小桜姫物語』から学ぶ真理「17」】

◎ 天狗界を、訪問して ①

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【引用文】

指導霊より:

 今日は、そなた(※小桜姫のこと)を、
 天狗の、修行場へに、連れて行く。

小桜姫より:

 ある日、指導役のお爺さまが、
 私に、そう、言われました。

 お爺さま、ここは、よほどの深山、
 なので、ございましょう。
 私は、ぞくぞく、してまいりました。

指導霊より:

 寒く感ずるのは、山が深いからでは、ない。
 ここは、もう、そろそろ、天狗界に、近い、
 ので、一帯の空気が、自ずと、
 異なって、きたのじゃ。

 今日は、神界からの、お指図を、受けて、
 訪ねるので、あるから、
 よくよく、天狗界の、実況をさぐり、
 また、不審の点があったら、
 遠慮なく、天狗の頭目に、訊ねておく、
 のが、よいで、あろう。

 ここが、天狗の道場じゃ。
 人間の世界の、剣術道場に、よく似ておる、
 であろうが。

小桜姫より:

 と、見ると、
 室内には、白衣を着た、五十余歳、と思われる、
 一人の、修験者らしい、人物が、いて、
 丁重に、腰をかがめて、私たちを、
 迎えてくれました。

天狗の頭目より:

 ようこそ。
 かねての、お達しで、
 あなた方の、お出ましを、お待ち受けして、
 おりました。

小桜姫より:

 かねて、想像していたのとは、異なって、
 格別、鼻が高い、わけでもなく、
 ただ、体格が、普通人より、少し大きく、
 また、眼の色が、
 人を射るように、強いくらいの、相違で、
 
 その、総髪にした、頭の上には、
 例の、兜巾が、ちょこんと、
 載っておりました。

 今日は、とんだお邪魔を、いたしまする。
 では、御免あそばしませ。

 私は、履き物を、脱いで、
 とうとう、天狗さんの、道場に、上がり込んで、
 しまいました。

 つづく

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『小桜姫物語』より、引用抜粋

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、
ありがとうございました。