【『小桜姫物語』から学ぶ真理「18」】
◎ 天狗界を、訪問して ②
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【引用文】
小桜姫より:
もちろん、この天狗さんは、
私たちに、見せるために、
わざと、人間の姿に、化けて、
そして、人間らしい、挨拶を、
していたので、ございます。
道場だって、同じこと。
天狗さんに、有形の道場は、要らない、
はずで、ございますが、
タネがなくては、とらえどころが、
無さすぎますから、
人間界の、剣術の道場のような、ものを、
仮に、造り上げて、
私たちに、見せたので、ございましょう。
すべて、天狗に、限らず、
◎ 幽界の住人は、化けるのが、上手
で、ございますから、
あなた方も、なにとぞ、そのおつもりで、
私の物語を、聴いていただきとう、
存じます。
さもないと、すべて、が、
一編の、おとぎ話のように、見えて、
さっぱり、値打ちがないものに、
なりそうで、ございますので。
お爺さま(※小桜姫の指導霊のこと)が、
何か、一つ、不思議なことを、見せてくれ
と、たのみますと、
早速、二つ返事で、承諾して、くれました。
天狗の頭目より:
我々の芸と、申すは、まず、
ざっと、こんなもので‥‥
言うより早く、忽ち、するすると、
庭前に、そびえている、一本の杉の大木に、
駆け上がり、ました。
それは、丁度、人間が、
平地を駆けるのと、同じく、
指端一つ、触れずに、
大木の幹をば、蹴って、
空へ向けて、駆け上がる、ので、
ございます。
その速さ、見事さ、
とても、筆や、言葉に、つくせるものでは、
ありませぬ。
私は、思わず、座席から立ち上がって、
呆れて、上方を、見上げましたか、
その時は、もう、天狗さんの、姿が、
頂点の枝の、茂みの中に、隠れてしまって、
どこに、おるのやら、
わからなく、なって、いました。
と、やがて、梢の方で、
バリバリと、いう、高い音が、いたします。
木の枝を、折っているな!
お爺さまが、そう言われている中に、
天狗さんは、直径一尺も、ありそうな、
長い、大きな、杉の枝を、片手にして、
二三十丈の、虚空から、
ひらりと、身を躍らせて、
私の見ている、すぐ、目の前に、
降り立ちました。
天狗の頭目より:
いかがで、ござる。
人間よりも、ちと、腕ぶしが、強う、
ござろうが‥‥
小桜姫より:
いとど、得意な面持ちで、天狗さんは、
そう、言って、
続いて、手にせる、枝をば、
あたかも、それが、芋殻でも、あるかのように、
片端から、引きちぎっては、棄て、
引きちぎって、棄て、
すっかり、粉々に、してしまい、ました。
あんな、鹿爪らしい、顔をしているくせに、
その心の中は、何という、可愛らしいもので、
あろう!
これなら、神様の、お使者として、
お役に立つ、はずじゃ。
私は、心の裏で、そんなことを、考えました。
つづく
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『小桜姫物語』より、引用抜粋
ご質問など、あれば、お答えしますので、
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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、
ありがとうございました。