【『小桜姫物語』から学ぶ真理「34」】
◎ 滝にいる、龍神様に教わる ④
※ 雨を降らせる、龍神を観る
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【引用文】
小桜姫:
ある日、
私が、精神統一の修行に、疲れて、
滝壺のところに、出て、
ぼんやり、水を眺めておりますと、
ここの龍神様(※白龍のこと)が、
またもや、例の、白衣姿で、
白木の杖を、つきながら、
ひょっくり、私の傍へ、
お現れに、なりました。
白衣姿の老人(※白龍のこと):
ちょうど、良い折であるから、
汝を、上の山へ連れて行って、
一つ、たいへんに、面白いモノを、
見せてあげようと、思うが‥‥。
小桜姫:
面白いモノと、言って、
それは、何でございますか?
白衣姿の老人:
ワシに、ついてくれば、わかる。
汝は、せっかく、修行のために、
◎ ここへ、よこされて、いるので、ある
から、
この際、できるだけ、何かを、
見聞しておくが、良かろう。
小桜姫:
もとより、拒むべき、筋合いのもので、
ございませんから、
私は、早速、身支度をして、
この、親切な、老いたる龍神さんの、
後について、出掛けることに、
なりました。
ようやく、山林地帯を、出抜けると、
そこは、もう、山の天辺で、
芝草が一面に、生えており、
相当に、見晴らしのきく、ところで、
ございました。
白衣姿の老人:
実は、今日、ここで、
汝に、雨降りの実況を、見せるつもり、
なのじゃ。
と、申して、
別に、ワシが、直に、やるわけでは、ない。
◎ 雨には、雨の受け持ちが、ある
小桜姫:
そう言って、瀑布のお爺さん(※白龍のこと)は、
眼を閉じて、ちょっと、黙祷を、なさいましたが、
間もなく、ゴーっと、いう、音がして、
それが、あちこちの山々に、こだまして、
やや、しばらく、音が止みませんでした。
と、見ると、
向こうに、
◎ 一人の、若い男子の、姿
が、現れました。
年の頃は、三十ばかり。
身には、丸みがかった、袖の、
浅黄の衣服を着け、
そして、膝のあたりで、くくった、
やはり、浅黄色の、袴をはき、
足は、草履に足袋といった、
はなはだ、身軽な、いでたちでした。
髪は、茶筅に結っていました。
これは、
◎ 雨の龍神さんが、化けて来た
のに、違いない、
と、一目見たときに、
私は、すぐ、そう気づきました。
不思議なもので、
いつ、覚えたともなく、
その頃の私には、それくらいの、
見分けが、つくのでした。
お爺さんは、言葉少なに、私を、
この、若者に引き合わせた、うえで、
白衣姿の老人:
今日は、ご苦労であるが、
ワシのところの、修行者(※小桜姫のこと)に、
一つ、雨を降らせる、実況を、
見せてもらい、たい、のじゃが。
若者:
承知、いたしました。
小桜姫:
若者は、快く引き受け、
ただちに、その支度にかかりました。
もっとも、支度と言っても、
別に、そう、うるさい手続き、のあるのでも、
何でも、ございませぬ。
◎ ただ、上の神界に、真心を込めて祈願する
だけで、
その、祈願が、叶えば、
神界から、雨を賜る、ことのようで、
ございます。
つまり、自然界の仕事は、
幾段にも、奥があり、
いかに、係の、龍神さんでも、
ご自分の力、のみで、勝手に、
雨を降らせたり、
風を起こしたり、は、
できないようで、ございます。
つづく
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『小桜姫物語』より、引用抜粋
ご質問など、あれば、お答えしますので、
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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。