【『小桜姫物語』から学ぶ真理「35」】

◎ 滝にいる龍神様より、教わる ⑤

※ 気象のこと。雨を降らせ、雷を鳴らすことの、実況

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【引用文】

小桜姫:

 年の若い、雨の龍神さんは、
 瀑布の龍神さんと、一緒になって、
 口の中で、何か、唱えごとを、しながら、
 やや、しばらく、

 ◎ 祈願を込めていました

 が、それが、終わると同時に、
 プイと、その姿を、消しました。

白衣姿のお爺さん(※瀑布の龍神様):

 あれ(若い男子)は、今、龍体に、
 戻ったのじゃ。

 ◎ 龍体に、戻らぬと、仕事ができぬ

 のでな。
 
 そのうち、じきに始まるで、あろうから、
 しばらく、ここで、待つがよい。

小桜姫:

 そんなことを、言っているうちにも、
 何やら、通信が、あるらしく、
 お爺さんは、しきりに、うなづいて、
 おられます。

 何か、差し支えでも、起きたので、
 ございますか?

白衣姿のお爺さん:

 いや、そうでは、ない。
 実は、神界から、

 ◎ 雨を降らせるに、ついては、
  同時に、雷の方も、見せてやれ

 との、お達しが、参ったのじゃ。
 それで、今、その手はずを、
 している、ところで‥‥。

小桜姫:

 まあ、雷で、ございますか?

 是非、それも、見せていただきとう、
 ございます。

白衣姿のお爺さん:

 雨雲の中を、よく見るが、よい。

 眼を離しては、ならぬ。

小桜姫:

 お爺さんから、そう注意される、までもなく、
 私は、もう、先刻から、一心不乱に、
 深い、精神統一に、入って、
 黒雲の中を、見つめていた、のですが、

 たちまち、一体の龍神の、雄姿がそこに、
 鮮やかに、見いだされました。

 私は、思わず、叫びました!

 あれあれ!
 薄い鼠色の、男の、龍神さんが、
 大きな口を、開けて、
 二本の角を、振り立てて、
 雲の中を、ひどい勢いで、駆けていかれる!

白衣姿のお爺さん:

 それが、先刻、ここに見えた、
 あの、若者、なのじゃ。

小桜姫:

 あれ、あの向こうの、峰をかすめて、
 白い大きな、龍神さんが、
 眼にも止まらぬ、速さで、
 横に、飛んで行かれる!

 あの、すごい眼!

白衣姿のお爺さん:

 それが、

 ◎ 雷の龍神の、一人じゃ。

 ◎ 力量は、この方が、一段も二段も、上じゃ。

小桜姫:

 あれ、雨の龍神さんが、こちらを、向いて、
 何やら、合図を、して、向こうの、方に、
 飛んで行かれ、ます。

白衣姿のお爺さん:

 それは、そろそろ、雨を切り上げる、
 合図を、しているのじゃ。

 もう、間もなく、雨も雷も、止むであろう。

小桜姫:

 果たして、間もなく、雷雨は、
 拭うがごとく、止み、
 山の上は、晴れた、穏やかな、景色に、
 戻りました。

 つづく

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『小桜姫物語』より、引用抜粋

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。