『新樹の通信』から学ぶ、【真理】‥‥「17」

◎ 小桜姫と、浅野和三郎博士との、問答

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『新樹の通信』より

浅野和三郎:

 いったい、あなた方も、
 ちょいちょい、よそへ、お出かけに、
 なられる場合が、おありですか?

小桜姫:

 そりゃあ、ございます。

 修行する場合などには、
 よそへ、出かけも、いたします。

 もっとも、たいていの仕事は、

 ◎ 座ったままで、用が足ります

浅野和三郎:

 今日の、ご訪問(※新樹の家への)の、ご感想は?

小桜姫:

 ちょっと、勝手が違うので、
 奇妙に、感じました。

 第一、家屋の造りが、私たちの考えている、
 のとは、たいへん相違して、いましたので。

浅野和三郎:

 あなたは、先刻、しきりに、
 子どもの、名前を、訊かれたそうで。

小桜姫:

 私、今までは、
 あの子の、名前を、呼びませんでした。

 私たちには、心で、
 ただ、あの子、と、思えば、
 すぐに、通じますので、

 ◎ 名前の必要は、ない

 のです。

 しかし、今日は、念のために、
 ハッキリきかせて、いただき、ました。

 シンジュと、申すのですね。

 昔の人の名前とは、違って、
 あくどく、なくて、
 たいへん結構だと、思いました。

浅野和三郎:

 あなたは、あの子を、やはり、
 ご自分の子のように、感じますか?

小桜姫:

 さあ。
 直に、逢わないと、
 いくらか、感じが、薄うございます。

 けれども、今日、初めて訪ねて行って、
 逢ってみると、
 たいへんに、どうも立派な子どもで、
 
 私も、心から、悲しくなりました。

 どうして、まあ、こういう子どもを、
 神さまが、こちらの世界に、
 お引き寄せ、なさいましたか、と、
 口にこそ、出さなかったものの、

 随分ひどいことだと、思いまして、
 その時には、神さまを、お恨み、
 いたしました。

 私から見る、子どもは、
 まだ、執着が、すっかり除り切れては、
 いないようで、ございます。

 あの子どもは、元来、陽気らしい、
 資質ですから、
 口には、少しも、愚痴を申しは、しませんが、
 しかし、
 心の中では、やはり、時には、
 家のことを、思い出している、ようで、
 ございます。

 で、私は、子どもに、
 自分の経験したことを、物語り、
 自分も、悲しかったから、
 あなたも、やはり、そうであろう。

 しかし、
 こればかりは、致し方がないから、
 
 ◎ 早く諦める工夫を、しなければいけない

 と、申しますと、
 子どもも、たいへん喜びまして、
 涙をこぼしました。

 涙の出るのも、当分、無理はないと、
 思います。
 自分に、ちっとも、死ぬ気は、なかった、
 のですから。

 私は、別れる時に、
 もし、判らないで、困ることが、あったら、
 遠慮せずに、私に、相談をかけるが、よい。
 私の力に及ぶ限りは、教えてあげるから。

 と、言っておきました。

浅野和三郎:

 この次は、一つ、
 あなたの、お住まいへ、子どもを、
 呼んでいただけませんか?

小桜姫:

 お安いことで、ございます。

 もっとも、住居と申しましても、
 私のいる所は、狭い

 ◎ お宮の内部

 で、よその方を、お呼びするのは、
 あまり、面白くありません。

 どこか、あの子の、好きそうな所を、
 見つけましょう。

 ◎ 心にそう思えば、私たちには、
   どんな、場所でも、造れます

 から。

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☆☆【私(※一風)から】

 小桜姫の、素直な心持ちが、大いに、
 伝わってきました。

 善意溢れる、優しい方です。

 私(※一風)は、実際に小桜神社に、
 参ってきましたが、
 ここで、報告されている、ように、
 小さな、お宮で、ありました。

 まあ、お宮とは、
 電話ボックスに、相当し、
 連絡をとる、拠点、
 でありますから。

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。