『新樹の通信』から学ぶ、【真理】‥‥「48」

◎ 龍宮探検 ⑤

  乙姫の、登場

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☆☆【私(※一風)から】

 乙姫様は、もちろん、
 本体は、龍神であり、
 ですが、それでは、対面するのに、
 都合が、良くない、ということで、
 
 この、乙姫の姿とは、
 我々人間のための、
 化身であろうと、思われます。

 新樹霊が、
 龍宮に、実際に訪れた、ことは、
 私たちの、代表として、訪れた、
 との、意味があると、
 私(※一風)は、捉えています。

 有り難いことです。

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『新樹の通信』より

小桜姫:

 子ども(※新樹霊)は、小声で、
 私に、向かい、

 「僕は、生前一度も、宮中の御殿などへ、
 呼ばれたことはなく、
 人のうわさを聴いて、羨ましく思って、
 いたものです。
 しかし、龍宮の御殿へ、呼ばれたのは、
 世界中で、恐らく、僕一人でしょう。
 そう思うと、僕は、鼻が高いです」

 そんなことを、申して、
 喜んでおりました。

 よほど、子どもは、身にしみて、
 嬉しかったことと、みえます。

浅野和三郎:

 それから、どうしました?

 (※と、私もつい急き込んで、尋ねました)

地の文:

 私(※浅野和三郎)から、催促されて、
 守護霊(※小桜姫)は、例のくだけた調子で、
 早速、その先を、物語りましたが、
 それは、相当現実味を帯び、
 幾分、人をうなずかせる点も、
 ないでは、ないが、
 
 さて、その片言隻語の裏に、
 なにやら、人間離れのした、
 なにやら、夢幻劇的色彩らしい、ものが、
 多量に、加味されているの、でした。

 取り扱う、事柄が、事柄なので、
 こればっかりは、どうあっても、
 免れない、性質のものかも、しれません。

 取り次ぎの、婢(※おんな)に、よりて、
 二人が、やがて、案内されたのは、
 華麗を極めた、一つの広間、なのでした。
 
 例によりて、それは、日本式であると、
 同時に、また、支那式でもあり、
 そのくせ、どこやら、地上一切の様式を、
 超越した、一種特有の、

 ◎ 龍宮式

 なのでした。

 目の覚めるような、丹塗りの高欄、
 曲線美に富んだ、円窓、
 模様入りの、絨毯、
 そこへ、美しい卓子だの、椅子だの、
 が、程よくあしらわれて、

 何とも言えぬ、朗らかな感じを、
 漂わせている。

 上の格天井が、また、素晴らしく、
 見事なもので、
 その中央の枡形には、
 羽の生えた、風変わりの、

 ◎ 金龍

 が、浮き彫りに、されている‥‥。

 室内には、いろいろの、装飾品も、
 置いてありました。

 先ず、目立って見えるのは、
 卓上の花瓶。
 それに、生けてある、大輪の白い花は、
 椿のようであって、しかも椿ではなく、
 えも、言われぬ、高い香りが、
 馥郁として、辺りをこめる。

 床の間らしい、ところには、
 美しい女神の姿を描いた、掛け軸が、
 かかっていて、
 その前に、直径五六寸の、水晶の球を、
 あしらった、天然石の置物が、
 置いてある‥‥。

 二人が、与えられたる、椅子に、
 腰をおろして、待つ間ほどなく、
 
 ちょっと気がついてみると、

 ◎ いつの間にやら、乙姫様は、
   もう、ちゃんと室内に、お現れに、
   なって、おられる

 のでした。

 妻の、守護霊(※小桜姫)は、
 その時の、状況を、こう、
 述べるの、でした。

小桜姫:

 あの時は、まことに、意外でございました。
 乙姫様は、当たり前に、扉を開けて、
 そこから、お出ましに、なられたのでなく、

 こちらが、気のつかないうちに、
 スーッと風のように、いつの間にやら、
 我々の、頂戴した、卓子から、少し離れた、
 上座の、小さい卓子に、お座りに、
 なって、おられたのです。

 で、私たちは、急いで椅子を離れて、
 ご挨拶を、申し上げました‥‥。

 乙姫様は、申すまでもなく、
 龍体を、お持ちの方で、ございますが、
 この場合、

 ◎ 龍体では、勝手が悪う

 ございますので、
 いつもの通り、

 ◎ とても、おきれいな、お姫様の姿

 で、お会いください、ました。

 その、おきれいさは、
 普通の人間の、きれいさとは、違います。

 何と、申してよいやら、
 すべてが、すっかりと、垢抜けがしており、
 すべてが、神々しく、
 犯しがたき品位を、備えておられます。

 目、鼻、口元と、一つ一つ、お拾いすれば、
 別に、これぞと、いうのでは、ございませんが、
 全体として、とてもお立派で、
 人間の、世界には、恐らく、
 あれほどの、御器量の方は、見当たらない、
 かと、存じますね。

 体格も、お見事で、
 従って、その御服装が、一段と、
 引き立って見えます。

 下着は、薄桃色、
 その上に、白い透き通った、紗のようなものを、
 羽織っておられますので、
 その配合が、何とも言えぬほど、
 美しゅう、ございます。

 お腰には、白い紐のようなものを、巻きつけ、
 それを、前面で、結んで、
 無造作に、下げておられます。

 すべてが、至極単純で、
 他に何の飾り気もない、
 それでいて、何とも言えず、おきれいなので、
 ございます。

 お歳は、左様でございますね、
 やっと、三十になるか、ならず、
 というところで、ございましょうか。

 もちろん、娘さんという風、ではなく、
 奥様らしい、落ち着きが、自然に、
 備わっておいでで、ございます。

 それから、来訪の二人は、
 早速、乙姫様に会い、
 私の代理として、単刀直入的に、
 いろいろの、ことを、質問したのでしたが、
 
 乙姫様は、絶えず、にこやかに、
 人間らしい、親しみをもちて、
 気軽く、それらを、受け流されました。

 なるべくありのままに、
 その時の、問答を、写し出して、みましょう。

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☆☆【私(※一風)から】

 長い、状況描写と、お姿の描写でした。

 天照大御神様の時と、よく似ている、
 お姿の、描写であったように、思います。

 きっと、これに、眩い後光が、差していた、
 に、違いありません。

 さて、次回は、
 乙姫様との、問答に、なります。

 次回が、楽しみです。

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。