『新樹の通信』から学ぶ、【真理】‥‥「56」

◎ 帰幽後の、一キリスト教徒 ①

  S婦人、の場合

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☆☆【私(※一風)から】

 【この世】には、いろいろな宗教が、
 あります。

 仏教、神道、キリスト教、イスラム教、道教、
 ユダヤ教、ヒンズー教、ゾロアスター教、‥‥

 そして、そのそれぞれに、宗派があり、
 枝分かれ、しています。

 私(※一風)は、それぞれの宗教に、
 敬意を表する者で、あります。

 なぜなら、それぞれの宗教で、
 【真理】に、迫っているから、です。
 ただ、その手法と、解釈に、違いがある、
 という、ことです。

 その【真理】ですが、
 
 ○○を拝めば、つかめる、
 や、
 ○○を唱えれば、わかる、
 など、
 形式や、儀式を、勉めれば、
 自動的に、達せられる、
 ものでは、決してない、

 とも、思っています。

 さて、今回からは、
 キリスト教徒の、Sさん、が、
 登場します。

 どんな、話しが、聴けるか、
 楽しみです。

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『新樹の通信』より

浅野和三郎:

 今日は、かねて約束しておいた、
 キリスト教徒の、話しを、聴くことに、
 しようかな。

 (※ある日、私は新樹を呼び出して、
  そう話しかけました)

新樹霊:

 承知しました。

 (※と、新樹は甚だ機嫌よく)

 いや、あの日の、僕の応接間は、
 大繁盛でした。

 仏教○○信者の、K老人、
 既成宗教とは、まるで歿交渉の、僕、
 
 そこへ、一人のキリスト信者が、
 加わったの、ですから。

 ちょっと、一種の宗教座談会見、みたいな、
 感が、ありました。

 お陰で、僕も、
 たいへん学問しました。

地の文:

 そんなことを、前置きしながら、
 新樹は、割合に詳しく、その折の、状況を、
 報告しました。

 それは、ざっと、次のような、ものでした。

新樹霊:
 
 「御免くださいませ」

 そう言って、玄関に訪れたのは、
 痩せぎすの、キリッとした、男性式の、
 婦人、でした。

 年齢は、ざっと三十位でしょう。

 僕は、直ちに、この婦人を、
 応接間に、導き入れ、
 Kさんと、一緒になって、
 大いに、歓迎の意を、表しました。

 この婦人は、たいへんに、交際慣れた人で、
 すらすらと、初対面の挨拶を、述べましたが、
 ただ、姓名だけは、
 僕が、訊いても、なかなか、名乗ろうと、
 しませんでした。

 仕方がないから、
 僕、こう言ってやりました。

 「こちらの世界では、或いは、
 姓名の必要が、ないかもしれませんが、
 僕は、父に頼まれて、一切の状況を通信する、
 責任があるのですから、せめて、
 苗字だけでも、名乗ってください。
 単に、或る一人の婦人、と言っただけでは、
 物足りなくて、仕方がないです‥‥」

婦人:

 まあ、左様で、ございますか。

  (※と、婦人は微笑して)

 格別、名乗るほどの、人間ではないので、
 控えておりましたが、
 私は、実は、

 ◎ S

 と、申す者でございます。

 生前は、東京に住んでおりまして、
 今から、約十年以前に、歿りました。

 良人も、一人の子どもも、
 まだ、現世に、残っております。

新樹霊:

 こんなことを、語り合っているうちに、
 部屋の空気は、次第に、和やかに、
 なりました。

 それにしても、地上生活中に、
 一面識のなかった、人間が、
 こちらの、世界で、一つの卓子を囲んで、
 話し込んでいるのですから、
 少々、勝手が違い、

 随分、妙だなあと、思わぬでも、
 なかった、です。

 話題は、やがて、信仰問題に、
 向けられました。

 「あなたは、熱心なキリスト信者だと、
 承りましたが」

 と、僕が、切り出しました。

 「ついては、あなたの、死後の状況について、
 お話し、いただけます、まいか‥‥」

 つづく

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☆☆【私(※一風)から】

 キリスト信者の、Sさん、が、
 登場しました。

 仏教信者だった、Kさんの場合、
 指導役は、お坊さんの姿に、化けて、
 指導されましたが、

 Sさん、の場合、どうなるのでしょうか?

 それについては、
 この後、語られます。

 次回に、回します。

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。