守護神からの言葉に学ぶ・その22

◎ 地獄の街、探訪

  街の売店の店主と、問答する

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☆☆【私(※一風)から】

 前回に、引き続き、地獄の街での、状況が、
 R氏により、語られます。

 今回は、街にある、売店の店主との、
 問答です。

 あなたは、この問答に、どうご感想を、
 抱かれるで、しょうか?

 ひょっとして、この問答に、
 妙な親近感を、覚えるかも、しれません。

 地獄(※中層部)の街では、日々、
 このような、生活が、なされていると、
 ご承知いただければ、と、思います。

 ぜひ、あなたの、ご参考に、されてください。

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‥‥

地の文:

 次に、私(※R氏)の出掛けたのは、
 街の中で、売店ばかり並んでいる、
 一区画で、あったが、

 全体の状況は、少しも、製造場と、
 変わっては、いなかった。

 人々が、買い物に、来ることは来るものの、
 支払ったお金は、
 皆、その買い主に、戻り、
 また、売った品物は、
 皆、その売り主に、戻っていく、
 のであった。

 あまりに不思議なので、
 私は、とある商店の主人に向かって、
 訊いた。

R氏:

 あなたの、売る品物は、
 どこから来るのです?

 製造所から、仕入れて来るのですか?

店主:

 いや、これらの品物は、
 皆、私と一緒に、ここへ付いて来た、
 のです。

 いずれも、皆、
 私が死んだ時に、店に置いてあった、
 品物ばかり、ですが、

 そいつが、どうしても、この店から、
 離れません。

 見るのも、もう、ウンザリしますがね。

R氏:

 それなら、商売をやめたら、いいでしょうに。

店主:

 冗談言っちゃ、いけません。

 商売をやめたら、仕事が、
 なくなって、しまいます。

 私は、子どもの時分から、
 品物を売って、一生暮らして来た、
 人間ですからね‥‥。

地の文:

 彼(※店主)は、私を、

 ◎ 極端な分からず屋と、見くびって

 ぷいと、先方を向いてしまった。

 そして、一人の婦人に、
 新しい帽子を、売りつけたが、
 無論、その帽子は、右の婦人が店を出て、
 三分と、経たないうちに、
 ちゃんと、自分の店に、戻っていた。

 私は、とうとう、街を通り抜けて、
 郊外に出たが、
 相変わらず、そこは、一望、
 がらんとした、荒れ地で、
 廃物ばかりが、山のように積まれ、
 
 ◎ 草などは、ただの一本も、
   生えていなかった

‥‥
‥‥

 どうだったでしょうか?

 この、店主の言い分は、
 まことに、トンチンカンなのですが、
 妙に、親近感も、覚えるのでは、
 ないでしょうか?

 そうです。
 
 この店主も、生まれた時から、
 儲けのことや、店の経営のことに、
 没頭する毎日を、過ごした結果、

 この意味のない、商売にも、
 「心」が、麻痺してしまっている、
 のでした。

 この店主のことを、
 笑っては、なりません。

 私たちにも、この店主と、同じ「心」を、
 持っている、かも、しれないのですから。

 何のために、仕事を、しているのか?

 その仕事が、社会や、人の役に、
 立っているのか?

 その仕事に、やりがいが、あるのか?

 もう一度、私たちも、
 自分の真心に、問い直しては、
 いかがで、しょうか?

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。