良い言霊:28

◎ 熟田津(※にぎたづ)に、船乗りせむと、月待てば

  潮もかなひぬ、今は漕ぎ出でな

  額田王の【言霊】

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☆☆【私(※一風)から】

 古代(※663年8月)、日本は朝鮮半島に、水軍を出し、
 白村江で、戦いました。
 しかし、唐・新羅の連合国に、
 完敗してしまいます。

 この時の、天皇は、
 斉明女帝で、中大兄皇子の実母でした。

 日本から、朝鮮半島に、水軍を出すため、
 瀬戸内海の、愛媛県の熟田津(※にぎたづ)が、
 中継点の港と、なっていました。

 日本は、何千隻もの、大船団を組んでいます。

 そこで、斉明女帝に代わり、
 額田王(※ぬかたのおおきみ)が、
 【言霊】を、発しました。

 ◎ 潮も叶いぬ、今は漕ぎ出でな

 と、大号令を‥‥。

 必勝を願っての、【言霊】でした。

 しかし、この後、九州の地で、
 斉明女帝は、崩御されます。

 これにかまわず、日本水軍は、
 出撃したのですが、
 白村江で、負けてしまう、のでした。

 そうして、中大兄皇子は、
 飛鳥から、近江に、都を移したわけです。

 そうした経緯を判った上で、
 この短歌を詠むと、感無量になります。

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。