ことわざに学ぶ「人生」:その149

◎ と金

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☆☆【私(※一風)から】

 「と金」とは、将棋で、
 歩兵が、敵陣に成り込んだ時に、
 駒の裏面に書かれている、名称です。
 これは、
 通例、「ときん」と、読んでいます。
 そして、
 「と金」となった歩兵は、金将と同じ能力に、
 なるのです。

 しかし、実は、
 この「と」は、
 ひらがなの、「と」では、
 ありません。

 この「と」は、「今」を崩した字体、
 なのです。
 「今」は、「金」と同じように、
 扱われます。
 読みも、「こん」で、同じように。

 さて、
 この「と金」は、「成金」
 とも、呼ばれています。

 元々は、「歩兵」なのですが、
 「金将」に、格上げされた、
 わけです。

 ですが、
 この「と金」も、相手に捕られた場合、
 元の、「歩兵」扱いです。

 「人生」も、これと、よく似ています。

 私たちは、【この世】では、
 いち人間、なのです。

 いくら【この世】で、肩書きが、
 格上げされようと、
 いずれは、この「歩兵」のように、
 それに、戻るのです。

 だから、
 「と金」になれた、からと言って、
 偉そばっては、なりません。

 「死後」、「霊」たる【魂】に、
 戻るのと、同様です。

 ◎ と金

 とは、面白い将棋のルールだと、
 思います。

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。