小桜姫の言葉に学ぶ【真理】と「人生」101

◎ 老いたる銀杏の「精」の独白

※ とある山中に棲んでいたのじゃ‥‥。

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☆☆【私(※一風)から】

 銀杏の木は、長生きする木です。

 ですから、それを守護する「妖精」も、
 老人の姿の「妖精」、と言うわけです。

 この大銀杏の「精」は、どんなことを、
 語るので、しょうか?

 早速、読んでいきましょう。

◎ 小桜姫:
 この老「妖精」は、一層しんみりとした調子で、
 話を続けました。

◎ 大銀杏の「精」:
 実を申すと、ワシは、この八幡宮よりも、
 もっと古く、
 元は、ここからさして遠くもない、
 とある山中に、棲んでいたのじゃ‥‥。

 しかるに、ある年、八幡宮が、
 この鶴岡に、勧請されるにつけ、
 その神木として、ワシが数ある銀杏の中から、
 選び出され、ここに、移し植えられることに、
 なったのじゃ。

 それから、数えても、
 もう随分の、星霜が積もったで、あろう。
 
 いったん神木となってからは、
 勿体なくも、この通り、幹の周囲に、
 注連縄が、張り回され、
 誰一人、手さえ、触れようとせぬ。
 中には、八幡宮を拝むと同時に、
 ワシに向かって、手を合わせて、
 拝む者さえも、ある‥‥。

 これと、申すも、皆、
 神様のご加護。
 お陰で、よその銀杏とは、異なり、
 何年経てど、枝も枯れず、幹も朽ちず、
 日本国中で、無類の神木として、
 今も、この通り、栄えているような、
 次第じゃ。

 今回は、以上です。

 なぜ、この大銀杏が、
 鎌倉八幡宮にあるのか、が、
 語られて、いました。

 たいへん興味深い、独白です。

 御神木に祀られている、とは、
 こういった、ことなの、でしょう。

 さて、次回は、この「精」が見た、
 三代将軍、実朝の暗殺について、
 です。

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。