【神様】
 世の中で、「お金」を持っていることが、いちばん大事と、信じ込んでいる者たちの、入る世界を教える。
 「お金」は、してもらったことの、代価として、有効な手段だ。「お金」は、支払うとき、お前の「心」がこもっていてこそ、値打ちあるもの。「お金」は、使うとき、力を発揮する、手段だ。
 しかるに、「お金」を、持つこと、貯めることに、のみ、執着し、それが、目的化したとき、【地獄】と、通じ合うことに、なる。
 要注意、して、もらいたい。

【「お金」第一【地獄】】の様子
 ●‥‥住人 ☆‥‥一風 ◎‥‥【神様】

☆ 大きな金庫をお持ちですね。
● ああ。「お金」は大事だからな。こうして金庫にしまっておかないと、盗まれるんだ。
☆ たくさん、あるのですか?
● ああ。これだけ、貯めるのに、苦労したよ。でも、ちょっと目を離した隙に、「お金」が減るんだ。だれか、泥棒が、いるようだ。
☆ それは、気が気ではありませんね。油断できませんね。
● そうなんだよ。オレの「金」は、狙われているんだ。油断も隙も、ないね。しっかり、見張っておかないと‥‥。
☆ その「お金」で、何か買わないのですか?
● そんなこと、したら、「お金」が、減るじゃないか。オレは、一銭だって、使うのは、惜しいね。
☆ でも、「お金」は、使うためにあるのでは、ないのですか?
● バカなこと、言うない。「お金」は、貯めるために、あるんだ! そんなことも、お前は、わからないのか。あっ! ちょっと目を離した隙に、「お金」が無くなってる。お前、盗んだな!
☆ ちょっと、待ってくださいよ。そんなこと、しませんよ。
● また、あいつかも、知れない。また、取り返しに、行くか。銀行は、あてにならんし。ああ、忙しい!忙しい!
☆ 「あなた」は、もう、亡くなっていて、ここが、【地獄】だとは、わからないのですか?
● バカなこと、言うない。オレは、ピンピンしてるよ。
☆ ご家族は?
● 長いこと、家には、帰ってないから、家族には、会ってないね。この事務所を、離れると、「金」が消えるから、なかなか、家には、帰ってない。
☆ そうですか。でも、もう、「あなた」は、死んでるんですよ。「お金」も、もう、必要ないんですよ。本当は‥‥。
● 生きてるか、死んでるか、もう、わからない。でも、「お金」さえ、あれば、【幸せ】なんだよ。
☆ もう、「あなた」は、死んでるから、「お金」なんか、要りませんよ。
● 世迷い言、言うな! この事務所から、出ていけ!この泥棒が!
☆ 「お金」と、「命」と、どちらが、大事ですか?
● 「お金」がないと、生きられないんだよ。「お金」こそ、一番大事だよ! 大きな声では、言えないがね。
健康も、長生きも、「金」次第だよ!
☆ もう、「あなた」は、死んでるんです。【守護霊】さんが、見えませんか? 「あなた」の後ろで、泣いてますよ。
● お前は、偽宗教だろう! 出て行け! 【神様】も、【守護霊】も、いないよ。頼れるのは、「お金」だけだよ。「お金」。「お金」を持った者が、「人生」勝ちなんだ!


 お前(一風)では、太刀打ちできない。ここの住人は、ことのほか、頑固なのだ。「お金」への執着が、度を超して、ものすごい。
 物欲の、代表が、「お金」だと、言える。「お金」で、損すること、を、極度に嫌う。これが、度を超すと、ひたすら、使わずに、貯めることに執着することに、なる。
 当人は、自分こそ、節約家、倹約家で、「お金」を貯めたことに、誇りを持っている。死んで、「お金」を持っていくことは、できないが、死後再び、「お金」を仮想し、貯めているのである。
 人の役に立つ、などは、「お金」がかかる、損なことと、曲解している。
 「お金」第一【地獄】、では、物欲と、損得勘定、とが、表裏一体と、なっている。現代人の、陥りやすい、【地獄】である。
 心して、もらいたい。

【私一風】
 肝に銘じます。【神様】、ありがとうございました。