【『小桜姫物語』から学ぶ真理「33」】
◎ 滝にいる、龍神様 ③
※ 滝を昇る、白龍の姿を観る
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【引用文】
小桜姫:
ある日、にわかに、私の眼の前に、
一道の、光明が、
さながら、洪水のように、
どっと、押し寄せて、参りました。
いったんは、ハッと、驚きましたが、
これは、何かのお知らせ、であろうと、
気がついて、心を、落ち着けますと、
続いて、瀑布の方向に、当たって、
耳が、つぶれるばかりの、異様の物音が、
響きます。
私は、ただちに、精神統一を止めて、
急いで、滝壺の上に、走り出て参りますと、
果たして、そこには、
◎ 一体の白龍
爛々と輝く、両眼、
すっくと突き出された、二本の大きな角、
銀をあざむく、鱗、
鉾を植えたような、たくさんの牙、
胴の周りは、二尺くらい、
身長は、三軒あまり、
そういった、
◎ 神々しいお姿
が、どっと、落ち来る飛沫を、
全身に、浴びつつ、
いかにも、悠々たる、態度で、
岩角を、伝わって、
上へ上へと、よじ登って行かれる‥‥。
こうした、荘厳無比の、光景を、
目の当たりに、接した、私は、
感極まりて、言葉も、出でず、
覚えず、両手を併せて、
その場に、立ち尽くしたことで、
ございました。
私は、前にも、幾たびか、
龍体を、目撃しておりますが、
この時ほど、間近く見、
この時ほど、立派な、お姿を、
拝んだことは、ございませぬ。
この時の、ありさまは、
私の、拙い言葉では、尽くすことは、
できませぬ。
どうぞ、しかるべく、
お察しを、お願いします。
つづく
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『小桜姫物語』より、引用抜粋
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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。