【『小桜姫物語』から学ぶ真理「41」】

◎ 母と、龍神様との、問答

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【引用文】

小桜姫:

 私は、厚く今日の、お礼、
 (※龍神の本体の姿を、見せていただけたこと)
 を、述べて、母を、引き合わせました。

 龍神さん(※白衣姿の老人に戻っている)は、
 いとど、優しく、
 いろいろと、母を、労ってくださいましたので、
 母も、すっかり、安心して、
 
 丁度、現世で、するように、
 私の、身の上を、懇々と、お頼み、
 するのでした。

母:

 不束な娘で、ございますが、
 何卒、今後とも、よろしゅう、お導き、
 ください、ますよう。

 さぞ、何かと、お世話が、焼ける、
 ことで、ございましょう。

白衣姿のお爺さん:

 いや、あなたは、良いお子さんを、持たれて、
 たいへんに、お幸せじゃ。

 近頃は、大分修行も、積まれて、
 もう、一息という、ところじゃ。

 ◎ 人間は、執着が、強い

 ので、それを、棄てるのが、
 なかなかの、苦労。
 ここまで、来るのには、決して、
 生易しいことでは、ない。

母:

 これから先は、娘は、どういう風に、
 なるので、ございますか?

 まだ、他にも、いろいろ、修行が、
 あるので、ございましょうか?

白衣姿のお爺さん:

 いや、そろそろ、修行に一段落、
 つく、ところじゃ。

 本人(※小桜姫)が、生前、気に入った、
 海辺が、あるので、
 これから、そこに、落ち着かせる、ことに、
 なっておる。

母:

 左様でございますか。
 どんなに、本人に、とりまして、 
 満足なことで、ございましょう。

 (と、母は、自分のことよりも、
  私の、前途につきて、心を遣ってくれる、
  のでした)

 それについては、
 私(※母)が、あまり、たびたび、
 訪ねるのは、却って、修行の邪魔に、
 なりましょう、から、
 なるべく、自分の住所を、離れずに、
 ただ、折々の、消息を聴いて、
 楽しむことに、いたしましょう。

 そのうち、折をみて、
 この娘の、夫なりと、訪ねさせて、
 いただきとう、ございます。

 そうすれば、修行をするにも、
 どんなに、張り合いが、あることで、
 ございましょう。

白衣姿のお爺さん:

 いや、それは、
 もうしばらく、待ってもらいたい。

 (と、滝の、龍神さんは、慌て気味に、
  母を、制しました)

 あの人(※小桜姫の夫)には、あの人としての、
 仕事が、あり、
 めいめい、やるべきこと、が、違います。

 夫を、呼ぶのは、
 海辺の修行場へ、移ってからの、ことじゃ。

母:

 やはり、そんなもので、ございますか?

 私どもには、こちらの、世界のことが、
 まだ、よく、呑み込めないので、
 時々、とんだ、失策をいたします。

 なにぶん、神様の方で、宜しきように。

白衣姿のお爺さん:

 その点は、どうぞ、ご安心、
 なさるように。

 では、これで、お別れします。

小桜姫:

 滝の、龍神さんが、こうして、
 ぷいと、姿を、消し、

 それと、入れ代わりに、
 母の、指導役のお爺さんが、
 早速、姿を、現しましたので、
 母は、名残惜しげに、
 それでも、大して涙も、見せず、
 間もなく、別れを告げて、帰り行き、ました。

 ◎ やはり、生みの母は、有り難い

 見送る、私の、眼からは、
 こらえ、こらえた、涙が、
 一度に、滝のように、流れました。

 つづく

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『小桜姫物語』より、引用抜粋

ご質問など、あれば、お答えしますので、
【人生相談・ダルマ堂】まで、ご連絡願います。

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。