特別連載:00『続・蜘蛛の糸』~カンダタと蜘蛛の精ヤアの物語~
それでは、予告させていただいた通り、
今回より、何回かに分けて、
この私(※一風)の書き下ろしとなる、
『続・蜘蛛の糸』を、
連載掲載、いたします。
よろしくお願いします。
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『続・蜘蛛の糸』
~犍陀多(カンダタ)と蜘蛛の精(ヤア)の物語~
庄田 一風 作
【まえがき】
まずは、原著である『蜘蛛の糸』を著されました、芥川龍之介先生に、高く敬意を表したいと思います。
この芥川先生の手になりました『蜘蛛の糸』が初出されましたのが、大正7年(1918年)のこと。芥川先生が手がけられた初めての児童文学であり、珠玉の作品であることは言うまでもありません。今年令和4年(2022年)で、生まれて何と104年が経ったことになります。
今では、教科書にも掲載される、日本の宝とも言える作品であります。
私はそれこそ年少の頃より今に至るまで、数知れずこの作品を読み、魅了されてきました。特に朗読するに、適した名作であると、思う次第であります。
この作品を読み、また朗読するごとに、私には思うことがありました。
「この作品は、『蜘蛛の糸』の前編に過ぎぬのではなかろうか?」と。
さらには、
「この作品には、後編『蜘蛛の糸』があってしかるべきではないか?」と。
そこで、僭越ではありますが、長年のこの私の思いを実現させるべく、この『続・蜘蛛の糸』を書き加えてみたものであります。
原著である芥川先生の『蜘蛛の糸』の読後感は、言い知れぬ「その後」への興味をかき立てるものが、ございます。
特に、
「その後の犍陀多(カンダタ)は、どうなった?」
は、読者の誰もが抱く、読後感ではないでしょうか?
私の著したこの『続・蜘蛛の糸』は、その一つの可能性としてお読みいただければ幸いに存じます。
尚、この私の『続・蜘蛛の糸』は、読者に児童も想定しています。そのため、劇の脚本のように、話し手がはっきりわかるよう、会話文の主体を載せさせていただきました。
一般の読者の方々には、この点が少しくどくお感じになられるかもしれませんが、どうかご容赦を願います。
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それでは、どうか『蜘蛛の糸』に続きます『続・蜘蛛の糸』を、ご賞味ください。
物語は、『蜘蛛の糸』の最終場面、犍陀多(カンダタ)が握っていた蜘蛛の糸が切れてしまい、「独楽のようにクルクル回りながら地獄に再び堕ちていく」ところから、始まります‥‥。
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