良い言霊:24

◎ 花の色は、移りにけりな、いたづらに

  我が身世にふる、眺めせし間に

  小野小町の【言霊】

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☆☆【私(※一風)から】

 平安期になると、
 花とは、桜を指します。

 桜の花は、潔く散っていきます。
 散っては、いきますが、
 色は、美しいままです。
 桜吹雪となり、川面を埋め尽くす、
 桜花も、また見事です。

 咲いている桜も、
 散る桜も、色は、美しいのです。

 ◎ 私(※小野小町)も、そうなのですよ

 と、歌っているわけ、です。

 この歌は、小町が、老境に入っての作、
 なのですが、

 たとえ、老境となろうと、
 私は、美しいと、誇っているのです。

 能の世界では、小町が、野に朽ち果て、
 ても、まだ、
 「幽体」となって、現れます。

 そして、美しさとは、何かを、
 生きている人に、問いかける、のです。

 人間(特に女性)は、いつまでも、
 美しくあるべし、
 と、桜になぞらえて、歌っている、
 わけです。

 桜は、散ってなお、色褪せることは、
 ないのですから‥‥。

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。