良い言霊:27

◎ うまさけ 三輪の山 あをによし 
  奈良の山の 山のまに い隠るまで 
  道の隈 い積もるまでに 
  つばらにも 見つつ行かむを 
  しばしばも 見放けむ山を 心なく 
  雲の 隠さふべしや

  額田王の【言霊】

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☆☆【私(※一風)から】

 額田王とは、女性皇族でした。

 天智帝、天武帝から、愛されました。
 両帝の亡き後も、持統女帝に、
 仕えています。

 この長歌は、天智天皇と共に、
 飛鳥を捨てて、琵琶湖畔の近江宮に移動するとき、
 途中、奈良盆地の三輪山を通過する際に、
 惜別の心で、詠んだものです。

 美しい三輪山は、大物主が祀られた、
 大和の一宮です。

 故あって、このたび、大和を離れますが、
 その途中、この三輪山を、何度も何度も、
 名残惜しく、見返します。

 ◎ 美しい三輪山よ、雲よ隠さないで欲しい

 という、惜別の歌です。

 うまさけみわ、とは、
 三輪の大物主の神は、水の神でもあり、
 そこから湧き出る、三輪の水は、
 美味しいお酒と、なるので、
 つけられた、枕詞です。

 ◎ 美味酒(※うまさけ)三輪

 なんと、美しい【言霊】でしょう。

 皆様も、一度、大神神社(※おおみわじんじゃ)で、
 湧き出る水を、お飲みください。

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。