小桜姫の言葉に学ぶ【真理】と「人生」172

◎ 自殺を食い止めたこと ②

※ 女房の行方は?

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☆☆【私(※一風)から】

 前回の続きです。

 男の訴えを聴いた、小桜姫は、
 神通力を使い、女の行方を、
 突き止めます。

 また、上の神様にも、お願いして、
 自殺を食い止めようと、働きかけます。

 今回は、以上のことが、
 具体的に、報告されます。

 さあ、読んでいきましょう。

◎ 小桜姫:
 ともかくも、家出した女房の行方を、
 探ってみますと、
 すぐに、その所在地が判りました。

 女は、油壺の断崖の上に、おりまして、
 しきりに、小石を拾って、
 袂の中に、入れているのは、
 やはり、本当に入水するつもり、
 らしいので、ございます。

 そして、しくしく泣きながら、
 こんなことを、言っておりました。

◎ 女房:
 悔しい、悔しい!
 自分の大切な、良人を、
 あんな女に、寝取られて、
 何で、黙って、おけるものか!

 これから死んで、あの女に取り憑いて、
 仇を取ってやるから、
 そう思っているが、よい‥‥。

◎ 小桜姫:
 平生は、ちょいちょい、私の所へも、
 お詣りに来る、至って温和な、
 そして、顔立ちも、あまり悪くはない、
 女なので、ございます、のに、
 嫉妬の為には、
 こんなにも、精神が狂って、
 まるきり手がつけられない、ものに、
 なってしまう、ので、ございます。

 見るに見かねて、
 私は、産土の神様に、

 氏子の一人が、こんなことに、
 なっておりますから、
 どうぞ、然るべく‥‥。

 と、お願いして、やりました。

 寿命のない者は、
 いかにお願いしても、
 お聴き入れが、ございませぬが、
 やはり、この女には、
 まだまだ、寿命が残っていたので、ございましょう、
 産土の神様の、御眷族が、
 丁度、神主のような、お姿をして、
 その場に、現れ、
 今しも、断崖から飛び込もうとする、
 女房の前に、両手を広げて、
 立ちはだかった、ので、ございます。

 不意の出来事に、女房は、
 思わず、キャッ! と、叫んで、
 地べたに、尻餅をついて、しまいました。

 今回は、ここまでと、いたします。

 いかがだったで、しょうか?

 生々しい、女の「心」のうちが、
 精神錯乱した、状況が、
 小桜姫より、語られました。

 このまま、放っておいたら、
 この女は、道を誤り、
 地獄に、堕ちるところ、立ったでしょう。

 土地の神様とは、産土神で、あります。

 もちろん、【龍神】なのですが、
 土地の人間の、「人生」を司って、
 おられる、のです。

 この産土神が、手下の【龍神】に働きかけ、
 神主のような、姿に化けさせ、
 女の自殺を、止めたのです。

 それを、祈願したのが、
 小桜姫だった、という訳です。

 さて、このあと、この女と、
 その良人は、どうなるのか?

 それは次回に、なります。

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。