小桜姫の言葉に学ぶ【真理】と「人生」92

◎ 梅の「精」のこと

※ あれは、梅の「精」じゃ

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☆☆【私(※一風)から】

 梅の「精」について、
 指導役のお爺さんに、小桜姫は、
 訊きます。

 この梅の「精」のことを、
 私たち人間も、梅の木を見るたびに、
 思い起こして、ほしいと思います。

 それでは、今回の部分を、
 読んでいきましょう。

◎ 指導役のお爺さん:
 あれは、梅の「精」じゃ。
 若木の梅であるから、その「精」も、
 やはり、少女の姿を、している‥‥。

◎ 小桜姫:
 木の「精」でも、やはり、
 歳をとりまするか?

◎ 指導役のお爺さん:
 歳をとるのは、「妖精」も人間も、
 同一じゃ。
 老木の「精」は、形は小さくとも、
 やはり、老人の姿を、している‥‥。

◎ 小桜姫:
 そして、やはり、男女の区別が、
 ありまするか?

◎ 指導役のお爺さん:
 無論、男女の区別があって、
 夫婦生活を営むのじゃ‥‥。

◎ 小桜姫:
 そう言っている中に、
 件の梅の「精」は、しばらく私たちの方を、
 珍しそうに、眺めていましたが、
 こちらに害意がないと知って、
 安心したものか、やがて、すーっと、
 ちょうど蜻蛉のように、空を横切って、
 私の足元に飛び来たり、
 その無邪気な、朗らかな顔に、笑みをたたえて、
 下から、私を見上げる、のでした。

 ふと、気がついてみると、
 その小人の体中から発散する、
 何とも言えぬ、高尚な香気!
 私は、いつしか、うっとりと、
 してしまいました。

 もしもし、梅の「精」さん?
 あなたは、何とまあ、良い香りを立てて、
 いなさるのです‥‥。

 そう言いながら、私は、なるべく先方を、
 驚かさないように、静かに、静かに、
 腰を下ろして、この可愛いい少女と、
 差し向かいに、なりました。

 今回は、以上です。

 蜻蛉のように、梅の「精」は、
 羽根で飛ぶ、ようです。

 そして、梅の「精」だけあって、
 「妖精」からは、高尚な香りが、
 発せられる、ようです。

 【この世】の植物も、この状態であると、
 想像できます。
 眼には、見えずとも、植物には、
 このように、それぞれ「妖精」が、
 働いている、わけです。

 さて、次回になりますが、
 この梅の「精」とは、会話ができるので、
 しょうか?

 会話ができるのなら、どんな言葉が、
 発せられる、のでしょうか?

 興味深いところです。

 それでは、また次回に‥‥。

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。