小桜姫の言葉に学ぶ【真理】と「人生」20

◎ 人を見て、法を説け

※ 聞き分けのない小桜姫に、手を焼いた神様が、
 死んだ祖父を連れてきて‥‥

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☆☆【私(※一風)から】

 亡くなった当座の小桜姫は、
 その混乱の余り、
 神様に支離滅裂なお願いばかり、しており、
 ほとほと、指導役の神様も、手を焼いた、
 のでした。

 そして、取った方法が、
 小桜姫の祖父(※とうに亡くなっている)を、
 連れてきたの、でした。

 こういった方法は、
 私たちの場面にも、よくあるケースで、
 死んだことを自覚させるために、
 先に亡くなった身内に、会わせ、
 本人に、得心させる、わけです。

 さて、小桜姫の場合を、
 読んでみましょう。

◎ とにかく、神様も、
 こんな聞き分けのない、私の処置に、
 ほとほと手を焼かれたらしく、
 やがて、
 私の祖父‥‥(私より十年ほど前に亡くなりました)
 祖父を連れてきて、私の説諭を、
 仰せつけられ、ました。

◎ 何しろ、とても逢われないものと、
 思い込んでいた、肉親の祖父が、
 元の通りの、慈愛に溢れた温容で、
 泣き悶えている私の、枕辺に、
 ひょっくりと、その姿を現したのですから、
 その時の、私の嬉しさ、心強さ!

◎ まあ、おじい様でございますか!
 私は、覚えず跳び起きて、
 祖父の肩に、取りすがってしまいました。
 
◎ 帰幽後の、私の暗い心に、
 一点の光明が射したのは、実に、
 この時が、最初でございました。

◎ 祖父は、さまざまに私をいたわり、
 かつ、励まして、くれました。

 さて、皆さん、
 ここで、小桜姫のおじい様は、
 どんな、言葉かけをしたでしょうか?

 神様でさえ、手を焼いた、小桜姫への、
 「死後」の自覚と、説得。

 おじい様ならでは、の、言葉かけが、
 ありました。

 それでは、続けます。

◎ そなたも、若いのに亡くなって、
 まことに、気の毒なことである、が、
 世の中は、全て、老少不定、
 寿命ばかりは、何とも、致し方がない。
 これから先は、この祖父も、
 神様のお手伝いとして、
 そなたの手引きをして、
 是非とも、そなたを立派なものに、
 仕上げて見せるから、
 こちらへ来たとて、決して決して、
 心細いことも、また心配なことも、ない。
 請け合って、他の人たちよりも、
 幸福なものに、してあげる‥‥。

◎ 祖父の言葉には、格別これと、
 取り立てて、言うほどのことも、ないのですが、 
 場合が場合なので、
 それは、丁度、しとしとと降る春雨の、
 乾いた地べたに、しみるように、
 私の荒んだ胸に、溶け込んでいきました。

◎ おかげで、私はそれから幾分、
 心の落ち着きを取り戻し、
 神様の仰せにも、だんだん従うように、
 なりました。

◎ 人を見て法を説け、とやら、
 こんな場合には、やはり、段違いの神様よりも、
 お馴染みの祖父の方が、
 かえって都合のよいことも、あるものと、
 見えます。

 以上です。

 ちなみに、その時のおじい様の姿は、
 熱心な仏教信者だったことから、
 すっかり、頭を丸めていた、
 と、あります。

 私たちも、「死後」、肉親が迎えに来るケースが、
 多いのです。
 それは、先に亡くなった人が、現れることで、
 自分も死んだのだ、と、
 納得させる効果を、期待しての、
 ことです。

 さて、いよいよ、ここからは、
 小桜姫の、【霊界】での生活、
 つまり、修行について、
 報告が、なされます。

 皆様も、大いに参考に、
 されていただきたいと、念願します。

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。