小桜姫の言葉に学ぶ【真理】と「人生」70

◎ 天狗の為す、人さらいの術について

※ 天狗の頭目は、いとど得意の面持ちで‥‥。

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☆☆【私(※一風)から】

 日本には、昔から、
 「神隠し」とか、「人さらい」
 という、ことが、あります。

 現代ですら、突然行方不明となり、
 まるで、「神隠し」にでも、あったように、
 その身が消え失せる、ということが、
 あります。

 小桜姫は、それが天狗の仕業ではないか?
 と、疑い、
 そのことを、天狗の頭目に、
 訊きました。

 するとどうでしょう。
 悪びれることもなく、
 こう、説明が、なされたのです。

 そのところを、読んでいきましょう。

◎ 小桜姫:
 
 人をさらう、ということが、
 本当にできるもので、ございますか?

◎ 天狗の頭目:
 
 (※天狗の頭目は、いとど得意の面持ちで)
 あれは、本当と言えば、本当、
 ごまかしと言えば、ごまかしで、
 ござる。

◎ 我々は、肉体ぐるみ、人間を、
 遠方へ連れて行くことは、滅多にござらぬ。
 肉体は、通例、付近の森陰や、神社の床下、
 などに、隠し置き、
 ただ、引き抜いた【魂】のみを、
 遠方に連れ出すもので、ござる。

◎ 人間というものは、案外感じの鈍いもので、
 自分の【魂】が、体から出たり、入ったり、
 することに、気づかず、
 【魂】のみで、経験したことを、あたかも、
 肉体ぐるみ、実地に見聞したように、
 勘違いして、得意になっているもので‥‥。
 脇で、それを見るのは、よほど滑稽な感じが、
 するもので、ござる‥‥。

 以上です。

 人間の【魂】のみを、抜き取る、
 という、いたずらを、するわけです。

 人間にすれば、たまったものでは、
 ありません。

 夢での出来事が、それに当たる、
 でしょう。

 身体は、【この世】にいるのですが、
 【魂】は、身体から抜け出し、
 【霊界】の、縁のある境涯を、
 園遊、している、のです。

 私たちは、夢にあるとき、
 それが、夢だとは、気づきません。
 そのことを、天狗は、言っているのだと、
 思います。

 いずれにしても、「天狗界」という世界が、
 あることを、知ってもらいたいため、
 小桜姫は、報告してきている、のです。

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。