小桜姫の言葉に学ぶ【真理】と「人生」156

◎ 小桜神社の由来 ⑬

※ 「幽界」のお宮

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☆☆【私(※一風)から】

 何度も、申し上げているように、
 現界にあるものは、
 すでに、それより前に、「幽界」に、
 出来上がっている、ものです。

 しかも、それは現界のものより、
 完璧です。

 そう、ご理解された上で、
 この『小桜姫物語』を読むと、
 ご納得が、いかれると、思います。

 今回の部分を、読んでいきましょう。

◎ 小桜姫:
 お爺さま、
 やはり、昔の隠れ家のあった、
 所で、ございます。

 たいそう立派なお宮で、
 私には、勿体のうございます。

◎ 指導役のお爺さん:
 現界のお宮も、よく出来ておるが、
 こちらのお宮は、一層手が込んでおるぞ。

 もう、とうに出来上がっているから、
 入る前に、一度、
 そなたを案内しておくと、
 致そうか‥‥。

◎ 小桜姫:
 そうして頂けると、何より結構で、
 ございますが‥‥。

◎ 指導役のお爺さん:
 では、これからすぐに、出かける‥‥。

◎ 小桜姫:
 私たちは、連れ立って、
 海の修行場を後に、
 波打ち際の、きれいな白砂を踏んで、
 東へ東へと、進みました。

 どう見ても、三浦の海岸を、
 もう少し綺麗にしたような、
 景色で、ございます。

 ただ、海に、一艘の漁船もなく、
 また、陸に、一軒の人家も見えないのが、
 現世と違っている点で、
 それが為に、何やら全体の景色に、
 夢幻に近い感じを、与えました。

 歩いた道のりは、一里あまりで、
 ございましょうか、
 やがて、一つの奥深い入江を回り、
 二つ三つの松原をくぐりますと、
 そこは、鬱蒼たる森陰の、
 こじんまりとなる、別天地。
 どうやら、昔、私が隠れていた、
 浜磯の景色に似て、更に、一層理想化したような、
 趣が、あるのでした。

 不図、気が付いてみると、
 向こうの崖を少し削った所に、
 白木造りの、お宮が、
 木の葉隠れに、見えました。

 大きさは、約二間四方、
 屋根は、厚い杉皮葺き、
 前面には、石の階段、
 周囲は、濡れ縁になって、おりました。

◎ 指導役のお爺さん:
 どうじゃ。
 立派なお宮で、あろうが‥‥。
 これで、そなたの身も、
 ようやく固まった訳じゃ。
 これからは、引っ越し騒ぎも、
 ないことに、なる‥‥。

 今回は、以上です。

 二間四方の、白木造りの、
 立派なお宮である、と報告されました。

 まあ、四畳半くらいの、
 拝殿(※本殿)といった、ところでしょうか?

 現在の小桜神社とは、異なっていますが、
 これは、何度か、建て替えが、あったから、
 でしょう。

 ここに、小桜姫が、鎮座されることになり、
 それでもって、
 私たちが、現界のお宮で、祈願すると、
 通じる仕組み、となっている、
 わけです。

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。