小桜姫の言葉に学ぶ【真理】と「人生」57

◎ 元腰元だった、香織の述懐

※ 現世での行いの反省とは?

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☆☆【私(※一風)から】

 ここで、香織という女性と、
 小桜姫は、(※【霊界】で)逢います。

 香織は、現世では、小桜姫の娘時代に、
 鎌倉の実家で仕えていた、女性でした。

 小桜姫の臨終の時にも、
 看取ってくれた、女性でした。

 この香織が、現世でのことの、反省を、
 口にします。

 私たちの「人生」にも、大いに参考となる、
 と思いますので、読んでいきましょう。

◎ 小桜姫:

 そなた(※香織のこと)は、いったい、
 どこが悪くて、亡くなったのじゃ?

◎ 香織:

 腹部の病気で、ございました。
 針で刺されるように、キリキリと、
 毎日悩み続けた末に、とうとうこんなことに、
 なりまして‥‥。

◎ 小桜姫:
 
 それは、気の毒であったが、
 どうして、そなたの死ぬことが、
 私の方へ、通じなかったのであろう‥‥。
 普通なら、臨終の思念が感じて来ない、
 はずがないと、思うが‥‥。

◎ 香織:
 
 それは、皆、私の不心得の為で、
 ございます。
 日頃、私は、死ねば姫様の形見の小袖を、
 着せてもらって、すぐ、おそばに行って、 
 お仕えするのだ、などと、口癖のように、
 申していたので、ございますが、
 いざとなって、さっぱりそれを、忘れてしまった、
 のでございます。

◎ どこまでも、執着の強い私は、
 自分の家族のこと、とりわけ二人の子どものことが、
 気にかかり、なかなか死に切れなかった、
 のでございます。
 こんな心掛けの良くない、女の臨終の知らせが、
 どうして姫様のお許に、届くはずが、
 ございましょう。
 何もかも、皆、私が悪かった為で、
 ございます。

◎ 小桜姫:
 
 正直者の香織は、涙ながらに、
 臨終に際して、自分の心掛けの悪かった、
 ことを、さんざん詫びるの、でした。
 しばらくして、彼女は、言葉を、
 続けました。

◎ 香織:

 それで、こちら(※【霊界】)へ来て、
 いろいろと、神様から、お諭しを受けたお蔭で、
 私の現世の執着も、次第に薄らぎ、
 今では、修行も少し積みました。

◎ それにつれて、日増しに募ってくるのは、
 姫様をお慕い申す心で、
 こればかりは、どうしても我慢が、しきれなくなり、
 幾度神様に、逢わせていただきたい、と、
 お頼みしたか、しれません。
 でも、神様は、まだ早い早い、と仰せられ、
 なかなかお許しが、出ないのでございます。

 ここらで、いったん留めます。

 まだ、これで半分なのですが、
 後半は、次回に、紹介しましょう。

 現世での臨終に際しては、
 誰しも、残す人のことを考え、
 後ろ髪引かれる思いに、なって当たり前、
 ですが、
 それも、余りに過度になれば、
 良くないと、この会話は、示唆しています。

 要するに、どうにもならないことには、
 「諦め」が肝心である、
 との、【真理】の教え、に、
 従うことです。

 どうにもならないことの一つに、 
 寿命が、あります。

 人間は、死ぬべきときに、死なねばならない、
 のです。

 こればかりは、(※たとえ神様でも)どうにも、できない、
 ことなの、です。

 詮ない言い方にはなりますが、
 何事も、寿命と諦める、ことが、
 結局は、正しい道、であること、と、
 思い知る、ことです。

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。