小桜姫の言葉に学ぶ【真理】と「人生」171

◎ 自殺を食い止めたこと ①

※ ある男の訴えかけ

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☆☆【私(※一風)から】

 それでは、次の祈願の例を、
 取り上げて、みましょう。

 ある夫婦喧嘩が元で、
 自殺しようと、図った、
 女性を救う、話です。

 少し長いので、数回に分けて、
 読んでいきたいと、思います。

 今回は、行方不明となった、妻を捜す、
 夫からの、祈願で、あります。

◎ 小桜姫:
 今度は、一つ、夫婦の諍いから、
 危うく、入水しようとした、
 女のお話しを、致します。

 ある日、一人の男が、
 真っ青な顔をして、
 慌てて、社の前に駆けつけました。

 何事かしらと、じっと見ておりますと、
 その男は、せかせかと、弾む息を、
 鎮めもせず、
 こんな事を、訴える、のでした。

◎ ある男:
 神様。
 どうぞ、私の一生の願いを、
 お聴き届け、下さいませ‥‥。

 私の女房めが、入水する、
 と申して、家出をしたきり、
 皆目、行方が判らないので、
 ございます。

 神様のお力で、どうぞ、足止めを、
 して下さいますよう‥‥。

 実際のところ、
 私は、あれに死なれますと、
 甚だ、困りますので‥‥。

 私が、よそに、情婦をつくりましたのは、
 あれは、ほんの当座の出来心で、
 芯から可愛いと思っているのは、
 やはり、長年連れ添って来た、
 うちの女房、なので、ございます。

 ただ、あれが、あんまり焼き餅を焼いて、
 仕方が、ございませんから、
 つい、腹立ちまぎれに、
 二つ三つ、頭をどやしつけて、
 貴様のような奴は、くたばってしまえ、
 と、怒鳴りました、が、
 心の底は、決してそうは、思っていない、
 ので、ございます‥‥。

 あんな事を言ったのは、
 私が、重畳、悪うございました。
 これに、懲りまして、
 私は、早速情婦と、手を切ります‥‥。
 
 あの大切な、女房に、死なれては、
 私は、もう【この世】に、生きている甲斐が、
 ありません‥‥。

◎ 小桜姫:
 この男は、三崎の町人で、
 年頃は、三十四五の分別盛り。
 それが、涙混じりで、こんなことを、
 申すので、ございます。

 今回は、以上です。

 小桜姫の目からすれば、
 祈願に来る人が、このように映る、
 と、お知り下さい。

 神様に、祈願するとは、
 このように、神様の目には、
 映る訳です。

 さて、小桜姫は、
 この男を哀れと、思い、
 動くことに、なります。

 どのようにして、この男と、
 捜している、女房を、自殺から救うのか?

 それは、次回以降で、判ることに、
 なります。
 お楽しみに、お待ち願います。

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。