【霊界】探訪
【神様】の許可を得て、今回、詐欺【地獄】に
 赴かせて、いただきました。

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【一風】 ここも、薄暗い天気で、曇よりしている。
 例によって、草花は、全くない。
 枯れ木の、街路樹らしきものが、
 チラホラ、ある、程度である。

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【★住民A】 おい! お前さん、どこの、誰だい?

【一風】 よその町から、旅行できました。一風と、言います。よろしくお願いします。

【★住民A】 一風? おかしな、名前だね!

【一風】 すいません。おかしな、名前で。
 ところで、ここは、どんな、町なのですか?

【★住民A】 ここかい。ここはな、商売上手な者たちが、集まっている町だよ。皆、商売にかけては、上手だね。

【一風】 へえー。どのように、上手なのですか? 教えてください。

【★住民A】 うーん。それは、企業秘密なんだが、特別に、教えてやろう。

【一風】 はい。あなたに、迷惑は、かけませんから。

【★住民A】 誰にも、言うなよ。
 それはな、騙すのさ。客をな。

【一風】 ええ? 騙すんですか?

【★住民A】 しーー! バカ! 大きな声を、出すな。
 客を、騙さないと、儲けがでないでは、ないか。
 儲けるためには、嘘は、許されるのさ。

 まあ、騙される、客の方が、悪いのさ。ハハハ‥‥。

【一風】 客を騙して、までして、儲けるのは、ちょっと悪いのでは、ないですか?

【★住民A】 そんなこと、気にしていたら、商売なんか、できやしない。商売とは、騙し合い、なんだよ。
 お前さん、まだまだ、甘いよ。あんたは。

【一風】 あなたは、どんな、商売を、されていますか?

【★住民A】 うん? これも、大きな声では、言えないが、な、
 ・振り込め詐欺
 だよ。

【一風】 え! 振り込め詐欺? それは、犯罪では?

【★住民A】 いいのさ。捕まらないように、賢くやるのが、オレたちの、誇りだ。
 引っかかる、ヤツらが、バカなのさ。
 儲けは、ボロいぜ。ウハウハだぜ。ハハハ‥‥。
 これも、頭を、使う、商売だ。
 最新の法律も、勉強しておかないと、
 なかなか、上手くいかない。
 なにせ、商売敵が、うじゃうじゃ、いるからな。
 ハハハ‥‥。

【一風】 ここは、もう、「お金」なんか、いらない、世界なのを、あなたは、ご存知ないのですか?

【★住民A】 バカ言うない! 「お金」が、なんぼの、世界なのさ。「お金」を持つことが、いちばん偉いのさ。ハハハ‥‥。

【一風】 「お金」など、もう、使わないでも、生きられるで、しょう? 食べること、着ることに、「お金」を、使ってますか?

【★住民A】 バカ言うない! 大きなは、儲けるのは、好きだが、使うのは、嫌だから、「お金」は、極力使わないのさ。だから、「お金」は、たまる。お前さん、も、そうしろよ。

【一風】 ところで、あなたの、家族は、どうされてますか?

【★住民A】 ああ。仕事が、忙しくて、長いこと家には、帰ってないね。もう、3年くらいは、仕事しっぱなしだ。とにかく忙しい。仕事しないと、誰かに、出し抜かれる、からな、油断も、隙もないのさ。
 それにしても、家族のことは、忘れていたよ。

【一風】 はっきり、言いますよ。もう、あなたは、死んでいるんです。家族は、あなたのことを、心配していますよ。きっと。
 
 そして、もう、死んでいるから、食事も、しなくて、いいでしょう? だから、もう、「お金」も、いらないと、思うのですが。もう、一休みされては、どうですか?

【★住民A】 オレが、死んでる?
 お前さん。お前さんは、本物の、詐欺師だね!
 おーい! 
 ここに、たいへんな、詐欺師が、いるぞー!
 皆で、こいつを、逮捕しよう!

【一風】 (※急いで、逃げる)
 ああ、ここは、危なかった。あぶなく、逮捕される、ところだった。
 やはり、ここも、死んだ自覚が、ない、世界のようだ。

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(※隣町まで、来る)

【★住民B】 おい。見慣れない顔だな。

【一風】 すいません。ただの、旅人です。ここは、どんな、町かと、思いまして。

【★住民B】 ここは、皆、商売人だらけだ。
 商売人以外は、不思議と、いないのさ。
 商売人の、町だな。

【一風】 あなたの、されている、商売は?

【★住民B】 オレか? 大きな声では、言えないがな。オレの商売は、詐欺リフォームだ。儲かるぜ。これは。

【一風】 詐欺リフォーム?

【★住民B】 壊れていないのに、壊れていると言って、屋根や、基礎を、リフォームした、ふりを、するのさ! チョロいぜ!

【一風】 それは、騙し、なのでは、ありませんか?

【★住民B】 商売とは、騙しだ!
 騙される方が、悪いのさ。

 オレも、昔、騙されたのさ。悔しかったね。
 だから、その、仕返しさ。
 今度は、オレが、騙す番さ!

【一風】 客を騙して、楽しいですか?
 良心が咎めませんか?

【★住民B】 慣れさ! 慣れれば、なんてことは、ない。
 仕事をする、ふりを、して、
 客も、リフォームしてくれた、と、思い、安心する、
 それの、何が、悪い?

【一風】 そんなにまでして、儲けないと、いけませんか? もう、あなたも、死んでいるんだし、「お金」は、要らない、と、思いますが?

【★住民B】 何? オレが、死んでいる、だと!
 
【一風】 はい。あなたは、死んでます。
 だから、ここは、【地獄】ですよ。
 家族も、いなく、なっているでしょう?
 あなたは、死んだからです。
 そして、家族も、来られない、【地獄】に、
 あなたは、今、いるのですよ。

【★住民B】 おーい!
 皆、集まれー! たいへんな、詐欺師を、見つけたぞー! たいへんだー!

【一風】 ああ、ここは、危ない。
 ここの、人たちは、自分のしていることの、罪深さが、わかって、いない。
 それが、原因で、自ら、この【地獄】に、いるのに、それに、気づけていない。

 もはや、これで、限界だ。ここまでに、しよう。

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 いやはや、【地獄】での、頑固な、思い込みは、容易に、崩せるものでは、ないでしょう。

 詐欺で、【成功】する、者が、いちばん偉い、
 とされている、世界ですので、
 全く、話は、噛み合いません。

 これぞ、【地獄】界、なのでした。

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 【神様】、今回は、ここまでで、結構です。
 ありがとうございました。

 【神様】に、【意念】を、集中させ、
 【地上界】の、元の、場所、まで、
 導いて、いただきます。