ことわざに学ぶ「人生」:その227

◎ 蝉は春秋を知らず

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☆☆【私(※一風)から】

 蟪蛄春秋を知らず
(けいこしゅんじゅうをしらず)

 が、元の言葉で、『荘子』に出てきます。

 蟪蛄は、蝉のこと、です。

 蝉は、暑い夏に地中より出てきて、
 一週間という、短い間、鳴いて、
 それで、卵を産み、
 死んでいきます。

 だから、蝉には、
 地上の、春や秋という季節を、
 知らない、わけです。

 その蝉に、
 春とは、こんなものだよ、とか、
 秋とは、こんななんだよ、と、
 説明しても、
 蝉にとっては、とても信じられません。

 蝉にとって、季節とは、
 夏しか、ないのです。

 振り返って考えてみれば、
 私たち、人間も、蝉のようなもの、
 かも、しれません。

 いくら、【真理】の素晴らしさを、説いても、
 人間にとって、【この世】が、
 全てです。

 人間にとって、
 【真理】が説く【霊界】を、
 知らないので、
 信じられないのです。

 人間にとって、【この世】しか、
 知っている世界が、ないから、
 です。

 ですが、蝉にとっても、
 その知らない、春や、秋が、
 ちゃんとあるように、
 人間にとって、も、
 その知らない、【霊界】が、
 ちゃんとあるのです。

 人間は、視野が、狭いのです。

 信じられなくとも、
 あるものは、あるのです。

 それを、認識した上で、
 生きる「人生」は、
 より、高度で、濃密なものと、なるのは、
 当たり前のこと、では、
 ないでしょうか?

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。