良い言霊:30

◎ 磯城島(しきしま)の 日本(やまと)の国は

  言霊(ことだま)の たすくる国ぞ 

  ま幸(さき)くありこそ

  柿本人麻呂の【言霊】

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☆☆【私(※一風)から】

 【言霊】とは、
 言葉そのものに、力が込められている、
 ことを、示しているものです。

 柿本人麻呂が、そのことを、
 歌で、詠みました。

 島が重なり合う、この日本は、
 言葉の霊力によって、助けられている、
 国柄です。
 さあ、この旅立ちが、幸いでありますように。

 という、【言霊】です。

 この旅立ちとは?

 ずばり、遣唐使です。

 中国・唐の国に、留学する旅ですが、
 遣唐使船が、難破する可能性も、
 大いにあったのです。

 無事、中国にたどり着く確率は、
 50%と、言われています。

 阿倍仲麻呂は、とうとう、唐から、
 帰っては来れません、でした。

 中国の僧、鑑真も、何回もの、
 挑戦の末、やっと日本に、渡れました。
 
 最澄や空海も、遣唐使で、唐に
 渡ったのです。

 皆、決死の思いでの、航海でした。

 その旅が、無事でありますように、
 と、心から、祈った歌が、
 この、柿本人麻呂の歌です。

 きっと、この歌も、
 天皇の前で、歌われたものでしょう。

 今も、日本は、この【言霊】の、
 幸多い、国なのです。

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。