小桜姫の言葉に学ぶ【真理】と「人生」126

◎ 少女・雛子の身の上

※ 指導役の老人から、聴かされたところは‥‥。

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☆☆【私(※一風)から】

 それでは早速、この少女・雛子の身の上を、
 読んでいきましょう。

◎ 小桜姫:
 この少女の身の上は、
 格別変わった来歴と申すほどの、
 ものでも、ございませぬが、
 その際、指導役の老人から聴かされたところは、
 多少は、現世の人々のご参考にもなろうか、
 と存じますので、
 あらまし、お伝えすることに、致しましょう。

 老人の物語るところによれば、
 この少女の名は、雛子。
 生まれて、六歳の、いたいけ盛りに、
 こちらの世界に、引き移ったものだそうで、
 
 その時代は、私よりも、よほど遅れ、
 帰幽後、ざっと八十年位にしか、ならない、
 との、ことでございました。

 父親は、相当高い地位の、大宮人で、
 名は、狭間信之、
 母の名は、たしか光代、
 そして、雛子は、夫婦の仲の一粒種の、
 いとし子だった、のでした。

◎ 指導役の老人:
 御身も知るとおり、
 こちらの世界では、心の純潔な、
 迷いの少ないものは、
 そのまま、脇道に入らず、
 すぐに、産土神のお手元に、
 引き取られる。

 ことに、浮き世の罪に汚されていない子どもは、
 例外なしに、皆そうで、
 そのため、この娘なども、
 帰幽後、すぐにワシの手で、
 世話することに、なったのじゃ。

 しかるに、困ったことに、
 この娘の両親は、きつい仏教信者であったため、
 我が子が、早く極楽浄土に行けるようにと、
 朝に晩に、お経をあげて、
 しきりに冥福を、祈っているのじゃ‥‥。

 この娘自身は、すやすやと眠っているから、
 格別、差し支えもないが、
 この娘の指導役を務めるワシには、
 それが、はなはだ迷惑、
 何か、良い工夫はないものかと、
 頭を悩ましたことで、あった。

 今回は、以上です。

 読者の皆様には、この老人の言を、
 どう、お感じに、なられたでしょうか?

 仏教式の、冥福を祈ることが、
 はなはだ迷惑、と、言っているところ、
 では、ないでしょうか?

 この部分の解釈が、難しいところ、ですが、
 私(※一風)が、考えるに、
 ただ、形式的な仏教の法事・法要では、
 かなり、【霊界】には、差し支えがある、
 ものと、思われます。

 【霊界】での修行を進めることが、
 故人の唯一、しなければならない、
 ことであります。

 【霊界】の、修行とは、
 「精神統一」です。

 それに、差し支える、と、
 あるわけです。

 次回に、この仏教のことは、
 続いて、語られます。
 次回を、お待ち願います。

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。