良い言霊:23

◎ 天の原、ふりさけ見れば、春日なる

  三笠の山に、出でし月かも

  阿倍仲麻呂の【言霊】

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☆☆【私(※一風)から】

 阿倍仲麻呂は、早くからの秀才で、
 19歳という若さで、遣唐使として、
 唐に渡ります。

 彼は、難関の科挙にも、一度で合格し、
 唐の玄宗皇帝に、気に入られ、
 なんと、50年以上も、仕えることになります。

 しかし、仲麻呂も人の子。
 彼は、帰郷の念、止みがたく、
 遣唐使船の、帰りの便に乗りますが、
 難波してしまいます。
 とうとう、日本に帰ることなく、
 彼の地で、没することと、なります。

 若いとき、奈良の都で、過ごした仲麻呂にとって、
 東の方、三笠山から出る、満月は、
 ことのほか、美しく、
 老境になっても、いつまでも、忘れ得ない、
 故郷の、思い出で、ありました。

 異郷の地である、唐の都、長安でも、
 同じ満月が、出ます。

 故郷でも、同じ月を、見ている、
 のだなあ、と、しみじみ思う、慕情は、
 我々にも、通じる【言霊】です。

 私(※一風)も、学生時代、
 奈良で、お世話になりました。

 三笠山から、昇ってくる満月は、
 それこそ、見事な眺めでした。
 見とれてしまいます。

 三笠山は、若草山とも言われ、
 芝生の山です。
 東大寺と、春日大社の、境界を、
 示しているのです。

 皆様も、一度この景色(※絶景)を、ご覧になられる、
 ことを、お勧めいたします。

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読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。