守護神からの言葉に学ぶ・その21

◎ R氏が、仕事地獄の街を、探訪する

  地獄界にいて、ここが地獄とも、気づかない住人

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
☆☆【私(※一風)から】

 地獄界からの、向上を目指すR氏ですが、
 いまだ、いるのは、地獄界の中層部と、
 思われます。

 ここで、また、一つの街を、
 横切っていく、ことになります。

 ここは、仕事中毒の人々の住む、
 仕事地獄、だと、思われます。

 ここの街の住人は、どんなことを考えているか、
 R氏との、問答と、なります。

 ちょっと、それを、聴いてみましょう。

‥‥
‥‥

地の文:

 ここは、陰鬱極まる所で、
 見渡す限り、煙突ばかり。

 製造所やら、倉庫やらが、
 ごちゃごちゃと、建ち並んで、
 その間には、ゴミだらけの、市街が、
 縦横に、連なっている。

 どこを見ても、むさ苦しく、埃くさく、
 そして、工場の内外には、
 職工が、ゾロゾロと、往来している。

 私(※R氏)は、足を止めて、職工の一人に、
 訊ねた。

R氏:

 いったい、君たち(※職工)は、
 ここで、何をしている?

職工:

 工業さ。無論‥‥。

R氏:

 製造した品物は、どうするかね?

職工:

 売るのだね。無論‥‥。

 しかし、妙なことには、
 幾ら売っても、売っても、
 その品物は、皆、製造所へ、戻って来やがる。

 こんなに、沢山、倉庫ばかり、
 並んでいるのは、その為だ。

 ここでは、ひっきりなしに、倉庫を、
 建てていなけりゃ、追いつきゃ、しない。

 邪魔で、しょうがないから、
 一生懸命、売り飛ばしておるのだが、
 それでも、いつの間にやら、一つ残らず、
 品物が、戻って来やがる。

R氏:

 焼いてしまったら、良かろう。
 (※と、私が、注意した)

職工:

 焼いてしまって‥‥。
 
 そりゃあ、無論、焼いている。
 
 一編に、大きな倉庫の、十棟も焼くのだが、
 しかし、やはり、駄目だね。

 すぐに、全部が、ニョキニョキと、
 戻って来る。

 こいつばかりは、しょうがない。

R氏:

 それなら、なぜ、製造を中止しないのかね?

職工:

 ところが、それができない。

 不思議な力が、ここに働いていて、
 どうしても、ひっきりなしに、

 ◎ 働いて、働いて、働き抜かなければ、
   ならなく、出来ている。

 ◎ 休日などは、まるでない。

 ◎ バカバカしい話しだが、
   これも、性分だから、何とも仕方がない。

 生きている時分だって、こちとらは、
 労働以外に、何も考えたことなんか、
 ありゃあ、しなかった。

 のべつ幕なしに、骨折って、働いたものだ。

 その、報酬が、これだ。

 せっせと、同一仕事を、繰り返し、繰り返して、
 一年、二年、五年、十年、百年‥‥。
 いつまでも、休みっこ、なしだ。

R氏:

 君たちは、生きている時分には、

 ◎ ただ、物質のことばかり、考えていた

 に、違いない。

 そのせいで、地獄に来ても、
 同じようなことを、させられるのだ。

職工:

 何? 地獄だって?

 地獄だの、極楽だの、というものが、
 この世にあって、たまるかい!

R氏:

 それなら、ここは、どこだと思うのかね?

職工:

 知るもんか! そんなこと!

 また、知りたくもねえや!

 ここには、寺院もありゃ、僧侶もいる。

 お前みたいな、阿呆に、話しをする、
 時間は、ない!

 どうりゃ。仕事に取りかかろう!

地の文:

 そう言って、その男(※職工)は、
 工場へ、入っていった。

‥‥
‥‥

 どうだった、でしょうか?

 仕事中毒の人が、何の疑いもなく、
 仕事をすることだけを、良しとして、
 死後も、それを続けている、わけです。

 今いる場所が、地獄であるとも、知らずに。

 それを、指摘しても、聴く耳も、持たず。

 私(※一風)は、こう考えます。

 ・ 自分中心に、頑固に、物事を考える。

 これは、思考の光を、内に向かわせます。
 すると、外への光の放射は、無くなるので、
 その【魂】は、暗いのだ、と。

 ・ 他者と、共に、分かち合おうとする。

 これは、思考の光を、外へ向かわせるため、
 その【魂】は、明るいのだ、と。

 【この世】でも、仕事中毒に、陥っている人は、
 多くいると、推察します。

 日本人は、この点、要注意だと、思います。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
読者の皆様へ:今回も、お読みいただき、ありがとうございました。